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【お役立ち記事】冷蔵?常温?長持ちさせるための「夏野菜」保存方法

目次

トマト
ナス
キュウリ
オクラ
ゴーヤー
小松菜


今年もやって来た暑い夏。気温はもちろん、湿度も高い日本では、さまざまな食材の管理方法が難しくなる季節でもある。5月くらいまでは常温で保管できた野菜も、エアコンの風ですぐにしなびたり、最悪の場合はカビたりしてしまうことも。これから旬を迎えるトマトやキュウリを代表とする夏野菜も、もちろん例外ではない。今回は、野菜ソムリエプロの根本早苗さんにアドバイスをもらい、これからの時期の野菜の保存法、そして栄養を効果的に摂取できるおいしい料理法を教えてもらった。

トマト

栽培環境が進化した現在、一年中味わえるものの、やはり夏が旬。皮が薄く、水分が多いため優しく扱わなければいけない野菜の一つ。

保存方法

1個ずつキッチンペーパーに包み、ヘタ側を下にして重ねずに保存用ビニール袋に入れましょう。5℃以下になると低温障害を起こして味や食感が悪くなるため、冷蔵室よりも野菜室が適しています。保存期間3日程度と考えてください。青みが残っているトマトは15~25℃の常温にて追熟させると栄養素のリコピン量が増えるので、赤く熟してから食べましょう。

効果的な食べ方

抗酸化作用が期待されているリコピンは、油と一緒に摂取することで吸収率が上がるといわれているため、オリーブオイルなどを数滴たらしてから食べるといいでしょう。加熱による吸収率UPも期待できるため、ソテーもおすすめ。また、新鮮なうちにザク切りして冷凍し、みそ汁に入れるのもおいしいですよ。トマトに含まれるグルタミン酸がうま味調味料となります。

ナス

長ナス、丸ナスなど豊富な種類、そして焼いても漬け物にしてもと、多彩な調理法で知られる。やはり夏が旬のため、保存方法には気を配りたい野菜。

保存方法

ナスは乾燥に弱いため、1本ずつキッチンペーパーに包み、もともと入っていた包材に戻し、さらに保存用ビニール袋に入れて保存しましょう。キッチンペーパーの上から個別にラップに包むと、さらに良い状態で保存ができます。5℃以下になると低温障害を起こして変色や軟化につながるため、冷蔵室よりも野菜室が適しています。保存期間は7日程度です。

効果的な食べ方

抗酸化作用が期待されているナスニンは皮に含まれるため、皮ごとの摂取がおすすめ。また、実に含まれるクロロゲン酸にも抗酸化作用があるといわれていますが、水溶性のため、水に長時間さらすのは避けましょう。体にこもった熱気を除いてくれるナスですが、体を冷やしてしまうことも。ショウガやネギなどと一緒に摂取して冷え予防を!

キュウリ

サラダや漬け物といった生で食べることの多い野菜だが、中華料理では炒め物にすることも。まだまだ可能性を秘めた食材として人気。

保存方法

キュウリは乾燥に弱いため、1本ずつキッチンペーパーに包み、もともと入っていた包材に戻し、さらに保存用ビニール袋に入れて野菜室で保存しましょう。キッチンペーパーの上から個別にラップに包むと、さらに良い状態で保存ができます。保存期間は5日程度です。白い粉(ブルーム)は水分蒸散防止効果があるため、洗わずに保存しましょう。

効果的な食べ方

体にこもる熱を出してくれるキュウリは、夏の水分補給として積極的に取り入れましょう。カリウムがむくみを改善し、ナトリウム排出を促すといわれています。2mm以下にスライスして冷凍用保存袋に入れ、塩少々でもみ、出た水分と一緒に薄く平らに並べて冷凍しておくと、必要分のみポキッと折って、あえ物に使えるため便利です。

オクラ

独特の粘りと、種の食感が楽しい野菜。おひたしなど和食はもちろん、メキシコ料理では、ゆでてサラダにしたり、煮込んだりとさまざまな形で食べられている。

保存方法

低温・乾燥に弱いオクラは、数本まとめてキッチンペーパーに包み、もともと入っていた包材に戻し、さらに保存用ビニール袋に入れて野菜室で保存しましょう。キッチンペーパーの上から個別にラップに包むと、さらに良い状態で保存ができます。オクラは劣化が速いため、新鮮なうちに塩ゆでしてから冷蔵室保存するのも◎。

効果的な食べ方

オクラに含まれる葉酸は水溶性で熱に弱いため、ゆで時間は1分程度と短めに。冷凍しても食感が変わりにくいため、生のまま冷凍するのもおすすめです。ヘタの硬い部分を取り除き、冷凍用保存袋に生のまま入れて冷凍すると、4週間程度の保存が可能になります。麺つゆ少量を一緒に入れて冷凍しておくと、自然解凍しただけでゆでたように柔らかいおひたしが完成するので便利ですよ。

ゴーヤー

苦みと独特の歯ごたえが魅力。夏の日差しをよけるグリーンカーテンの副産物として、気軽に自宅で栽培&収穫している人も多い。

保存方法

1本ずつキッチンペーパーに包み、保存用ビニール袋に入れて野菜室で保存しましょう。保存期間は7日程度です。イボが折れるとそこから傷んでくるので、触る時には注意が必要。使いかけの場合、わたと種を除いてからキッチンペーパーに包んでください。種が赤いのは、熟している証拠。カビや異臭がない場合は、食べることができます。

効果的な食べ方

ゴーヤーに多く含まれるビタミンCは水溶性のため、ゆでるよりも炒めることで流出防止できます。油と炒めることで苦味も抑えられ、同時にカロテンの吸収率を上げるというメリットも。また、果肉の3倍のビタミンCが含まれるといわれているわたもスープなどに入れましょう。苦味が少なく、むしろほんのりと甘いです。

小松菜

葉物野菜が少ない夏でも、通年出回っている小松菜は献立で大活躍。アクがないため、その食べやすさも魅力。

保存方法

3日以内に食べ切る場合には、キッチンペーパーに包み、もともと入っていた包材に戻し、さらに保存用ビニール袋に入れて冷蔵室に立てて保存を。ドアポケットなどを利用するのもいいでしょう。ただし、傷みやすいので冷凍保存が◎。硬めにゆでて水けを絞り、小分けにしてラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍してください。

効果的な食べ方

葉物野菜に多く含まれるβカロテンは油と一緒に摂取すると吸収率が上がるため、油炒めがおすすめです。ゆでる場合には、水溶性のビタミンC流出を最小限に抑えるよう、ゆで時間は短めにし、氷水を使って短時間で粗熱を取りましょう。アクの少ない小松菜は、生のまま冷凍し自然解凍するだけで、ゆでたように柔らかくなります。

「スーパーなどで購入した野菜の包材は、適度な水分調整ができるように研究されているので、捨てることなく保存に活用してほしいです」というアドバイスもくれた根本さん。おいしい旬の野菜の力を借りて、暑い夏を乗り切ろう。

文=中村美香

インフォメーション

野菜ソムリエプロ 根本早苗

野菜が主役の料理教室を主宰。また、”つくりおき冷凍し、毎日野菜を摂取してほしい”という思いの下、企業・自治体等にて「つくりおき冷凍レシピ」セミナーや、食育の大切さ・食品ロス削減の観点での講演活動も行っている。

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