掃除・収納

夏の汚れは9月のうちに!夏明けお掃除チェックリスト

目次

おそうじ・収納アドバイザーとして活躍する大津たまみさんに、すぐに実践したくなる掃除テクニックなど生活に役立つアイデアを教えてもらう「お掃除連載」がスタート!

今回は、夏が明けたこの時期にきれいにしておきたい場所と、年末の大掃除に向けたワンポイントアドバイスを紹介します。

大津さんは、気温が下がる前の9月こそ、掃除をしておくのがおすすめだと言う。「理由は三つあります。まず一つ目は、夏の汚れを9月のうちに落としておくと、年末の大掃除がグッと楽になるということ。そして二つ目は、冬場に比べて、まだ暖かい9月はキッチンの油汚れを落とすのが断然に楽だということ。そして三つ目は、水温が低くなる前に水を使ったお掃除を済ませておくことがおすすめだからです。夏にたまった汚れは、お掃除のしやすい秋の入口に、パッとお手軽に落としておきましょう」(大津さん)

この時期は、部屋の中のどんな所を掃除しておくべきなのか?それがひと目で分かる、夏明けの掃除のチェックリストも作りました。これを活用して、普段見落としがちな汚れもしっかり落としておきましょう!

今やっておけば年末の大掃除が楽になる!

年末が近づいてくると慌てて大掃除をする人も多いはず。でも、実は「年末は1年のうちで一番大掃除に向いてないんです」と大津さんは話す。

「まず、時間的な問題。年の瀬は大掃除以外にも“今年のうちにやらなくちゃならない仕事”が多々あって、何かと忙しいですよね?しかも気温、水温が低いから汚れが落ちにくい上に日照時間も短く、明るさがないので汚れ落ちの確認もしにくい。さらに、寒さで縮こまって体も動かないですよね。そもそも日本人が年末に大掃除をするようになったのは、“すす払い”という神社の大掃除の風習から。きれいに年を越したいという気持ちは日本人共通でしょうから、無理にやめる必要はありません。合理的に考えて、その1回だけで1年かけてたまった汚れに立ち向かおうとしなければいいんです」(大津さん)

目からうろこだが、言われてみればその通り。1度の大掃除で済まそうとするから時間もかかるし、手間もかかる。掃除がしやすい時期の9月のうちに夏の汚れを取り除いておけば、年末はグッと楽になること間違いなし。

「油汚れ」は気温が高いうちが落としやすい!

「9月のうちにキッチンの油汚れを落としておくべき!」と大津さん

油分には温めると溶けて、冷めると固まる性質がある。「年末の大掃除の時期には、キッチンにこびり付いた油分が寒さで固まってしまっているので油汚れが落としにくくなっています。逆に、気温がまだ高い9月は、油汚れもまだ溶けている状態。冬場より断然に取りやすいんです」(大津さん)

取れやすい状態の油汚れなら、キッチンペーパーやコンビニなどでもらえる紙のおしぼりでサッと拭くだけでもかなり汚れが落ちるとのこと。

油汚れは「汚れたらすぐに拭く」が鉄

「丸めたラップを使うのも裏技です。例えばレンジの温めでラップを使うたびに、残ったラップでガス台などをこする習慣を付けておくと、油汚れがたまりにくくなります。よりピカピカに光らせたいならマイクロファイバークロスで拭くのがおすすめですよ」(大津さん)

水を使った掃除は水温が低くなる前に

当たり前だが、なるべく洗剤を使わず、さらに体力もあまり使わず、サッと水拭きだけで汚れを落とすことが一番簡単な掃除の仕方。

「私たちプロは、お掃除の“4要素”=①温度、②時間、③物理力、④洗剤の濃度、を上手に使っています。これらを組み合わせて、効率的に汚れを落とす方法を考えていくわけですが、手軽に掃除をするなら洗剤はなるべく使わない方がいい。汚れ落としに使った洗剤を取り除くのも手間になるわけですから。さらに、強力な洗剤を使うとキッチンの素材を傷めてしまう可能性もあります」(大津さん)

水を使った掃除も今の時期に手を付けたいところ

洗剤をなるべく使わずに汚れを落とすには、水温の高い水で拭くのがコツ。

「例えば、体を拭く場合も水で絞ったタオルで拭くのと、ぬるま湯で絞ったタオルで拭くのとでは皮脂の落ちが違いますよね。それと同じで、冷たい水で絞った雑巾より、水温の高い水で絞った雑巾の方が汚れ落ちがいいんです。それに最適なのが、まだ水のぬるい時期。だからこそ夏の汚れは9月に落としておくことがおすすめなんです」(大津さん)

夏明けに掃除すべき箇所が一目瞭然のチェックリスト

夏明けに掃除すべき場所、そしてチェックすべき箇所を一覧に!項目をクリアするごとにチェックを入れていけば、どこがきれいになったかが一目瞭然。さらに、「ここまで終わったからこっちも!」という張り合いにもなりそう。「汚れというのは、積み重なるほど取り除くのが面倒になるものです。このリストを活用して、夏の汚れを今のうちに取り除いておきましょう!」(大津さん)

【キッチン】

□シンク・蛇口はピカピカに光っていますか?
□排水口のふたの裏まできれいになっていますか?
□ガスコンロの噴きこぼしはきれいに取れていますか?
□換気扇フードに油がこびり付いていませんか?
□床・壁がベタベタとしていませんか?

【お風呂】

□排水口に髪の毛は詰まっていませんか?
□浴槽壁のせっけんカスはきれいに取れていますか?
□浴槽の中のざらざらやぬるぬるした汚れは取り除けていますか?
□換気口や照明や天井もきれいになっていますか?
□ドアの隙間に汚れがたまって黒ずんでいませんか?

【トイレ】

□便器の水たまりの部分の尿石は取り除けていますか?
□手洗い場の水あかは取り除けていますか?
□水洗金具や便器背面にほこりはありませんか?
□換気扇にほこりがたまっていませんか?
□床の汚れは取り除けていますか?

【ガラス】

□サッシにほこりは付着していませんか?
□ビート(ゴムの部分)のカビは取り除けていますか?
□ガラス面に手あかや外気汚れのこびり付きはありませんか?
□クレセント(カギの金具)にほこりが残っていませんか?
□ガラス面の拭きむらはありませんか?

チェックリストを活用して夏の汚れとはおさらばしよう!

取材・文=本嶋るりこ

大津たまみ

1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアをもつ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する

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