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ビアジャーナリストが薦める初心者でも手に取りやすいクラフトビール5選!

目次

・“第3次ブーム”を迎えたクラフトビールの現状と魅力
・ピルスナーならコレ!ベアレン醸造所(岩手)「ザ・デイ イタリアンピルスナー」
・ペールエールならコレ!箕面ビール(大阪)「ペールエール」
・IPAならコレ!ブリュードッグ(イギリス)「パンクIPA」
・フルーツビールならコレ!みちのく福島路ビール(福島)「桃のラガー」
・スタウトならコレ!松江ビアへるん(島根)「縁結麦酒スタウト」
・クラフトビールが定期的に届く注目のサブスクサービス

 

若者のビール離れが進んでいる昨今。そんな苦境の中でも、急激な盛り上がりを見せているのがクラフトビール業界だ。コロナ禍以降、家飲みの需要が高まり、プチぜいたく志向の人も増え、その勢いはさらに加速している。

「外出して自由に飲みに行けない今、そのフラストレーションを発散させたいという思いから、家飲みする時にいつもと違う“少し良いビール”を取り寄せて楽しんでいる方が増えているんだと思います」と現在のブームの要因を分析するビアジャーナリストのルッぱらかなえさんに、クラフトビールの魅力、そして初心者でも手に取りやすいお薦めの銘柄を5つ教えてもらった。

“第3次ブーム”を迎えたクラフトビールの現状と魅力

地ビールが注目を浴びた1990年代半ばの第1次ブーム、「よなよなエール」で知られるヤッホーブルーイングが牽引した2000年代の第2次ブーム、そして大手メーカーも参入してきた現在の第3次ブーム…段階を経ながらクラフトビールは盛り上がり、現在では日本全国に500カ所以上のブルワリー(ビール醸造所)が存在するまでになった。

全国津々浦々にブルワリーがあるクラフトビールならではの魅力は、家にいながら旅気分が味わえて、その土地のことを知ることができる点にあるという。

「例えば、岡山の離島である六島(むしま)に『ドラム缶会議』という薫製のビールがあるんです。六島って居酒屋がないから夕方になるとおじさんたちがビールを片手に波止場に集って、ドラム缶に火をたいて、ずーっと飲む。集まりが終わった時に自分がいぶされた匂いがする…それを表現しているんです。1本のビールを通じて、六島という場所やその土地の文化、さらに自分が薫製ビールを好きなことなど、さまざまな発見がある。クラフトビール1本1本にそんな出会いがあるんです」

シーズンの限定品やビアスタイルの流行などもあり、毎月、追いきれないほど新たな銘柄がリリースされている。1日1本は新たな銘柄を飲み続けているというルッぱらかなえさんだが、「飲んでも飲んでも底がないところも魅力」だという。

ピルスナーならコレ!ベアレン醸造所(岩手)「ザ・デイ イタリアンピルスナー」

ベアレン醸造所「ザ・デイ イタリアンピルスナー」

大手メーカーのビールをはじめ、日本で最も親しまれているピルスナー。爽やかかつ喉越しが特徴的な、ゴクゴクと飲めるビアスタイルだ。なじみ深いピルスナーの中で、ルッぱらかなえさんが初心者にイチオシするのが、ベアレン醸造所の「ザ・デイ イタリアンピルスナー」。

「ピルスナーのイメージを変えてくれるような1本です。“イタリアンピルスナー”という新しいビアスタイルなんですけど、ドライホッピングをしているので、ホップの香りがスゴくて、けっこうガツンと感じるビールです。ピルスナーのドライ感にホップの苦味や香りが乗っかっているイメージですね」

ペールエールならコレ!箕面(みのお)ビール(大阪)「ペールエール」

箕面ビール「ペールエール」

既存の濃いビールと比べて淡い色合いから名付けられたイギリス発祥のペールエール。ホップの豊かな香りやモルトのコクが特徴的なペールエールでお薦めなのが、箕面ビールの「ペールエール」だ。

「柑橘系の香りが美しく、さらに麦のうま味、ホップの苦味も飲んだ瞬間にフワッと広がります。キレがよくてスッと消えるので、食事とも合わせやすくて、ずっと飲み続けたくなるバランスのいい1本です。スーパーでもわりと手に入りやすい点もうれしいですね」

IPAならコレ!ブリュードッグ(イギリス)「パンクIPA」

ブリュードッグ「パンクIPA」

正式名称を「インディア・ペールエール」というIPA。大航海時代にイギリスからインドまでビールを送る際、防腐剤代わりにホップを大量に使用していたことに由来しており、ホップの強烈な苦味が特徴だ。そのクセの強さが愛されるIPAからは、ブリュードッグの「パンクIPA」をお薦めしてもらった。

「これもスーパーなどで買いやすいと思います。特徴はとにかく香りですね。ガツンとした香りに加えて、トロピカルフルーツとグレープフルーツを感じます。ブリュードッグはグレープフルーツの使い方がとてもうまいんですよね。華やかなフルーティーさとIPA特有のしっかりとした苦味が感じられる1本です」

フルーツビールならコレ!みちのく福島路ビール(福島)「桃のラガー」

みちのく福島路ビール「桃のラガー」

その名の通り、果物を漬け込んだり、果汁を加えたりして造られるフルーツビール。使用されるフルーツの種類もさまざまで、季節ごとに旬のビールが造られる限定感も相まってファンを魅了してやまない。その中でもみちのく福島路ビールの「桃のラガー」はルッぱらかなえさんの激推しの1本だという。

「フルーツビールではダントツでこれが好きです。福島を代表する品種“あかつき”の果汁をたっぷりと約30%使用していて、桃をガブっとかじったような味がします。でも、ラガーなので余韻はドライでスッと消えていく。しかも季節限定ではないので、こんなおいしいビールが年間通して飲めるのもうれしいです」

スタウトならコレ!松江ビアへるん(島根)「縁結麦酒スタウト」

松江ビアへるん「縁結麦酒スタウト」

英語で「どっしりとした」という意味を持つスタウトは、いわゆる黒ビールの一種。その見た目にふさわしく、ナッツやチョコレート、コーヒーのような香ばしさが特徴的だ。そんなスタウトからは、松江ビアへるんの「縁結麦酒スタウト」をお薦めとして紹介してもらった。

「柔らかでコクがあり、しっかりとした焙煎香も感じられるうま味がスゴい1本。食事にも合うし、デザートと一緒に飲んでも良しと、好きなシチュエーションに合わせて飲めるのが特徴です。また、ちょっと温度が上がってくると、香りが強くなったり、コクが増したり、温度の変化で味が変わるのも面白いですね」

クラフトビールが定期的に届く注目のサブスクサービス

毎回厳選された飲み比べセットが自宅に届く「Otomoni(オトモニ)」

“第3次ブーム”によって、各ブルワリーが特徴を打ち出したクラフトビールをリリースし、盛り上がりを見せるクラフトビール業界。そんな中、「Otomoni(オトモニ)」というクラフトビールの定期便サービスも始まっている。このサービスは、1,700種類を超える銘柄から厳選された6本が隔週で届く、いわば“クラフトビールのサブスク”だ。

OtomoniのSNSやライターも担当しているルッぱらかなえさんが「ビールは流通の仕方で味が変わってしまう繊細な飲み物なのですが、Otomoniはブルワリーから、おいしい状態でお客さまにお届けできるように品質管理を徹底しています」と語るように、クール便での配達によりおいしさを保証。さらに、好きな銘柄をキープする・苦手なスタイルを避けるなど好みの基準でセットが選べたり、季節の行事に合わせた月ごとのOtomoniオリジナルビールも楽しめたりと、自宅にいながらさまざまなクラフトビールに出会えるサービスとなっている。

専用アプリで飲んだビールの感想も記録できる「Otomoni(オトモニ)」

今回紹介してもらったビールを実際に購入し、味わってみたところ、どのビールも口当たりがよく、それでいながら香りや味のコクなどそれぞれの個性がしっかりと感じられる、クラフトビールの魅力が詰まったものだった。スーパーやオンラインショップ、サブスクでの購入で気軽に楽しめるので、この機会に底のないクラフトビールの世界に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。

※店舗や時期によって在庫状況は異なります。また価格変更や販売終了などになることがありますのでご了承ください。
文=野宮ジュン

ルッぱらかなえ

ビアジャーナリスト、クラフトビールライター。お酒をこよなく愛し、「クラフトビールは骨まで愛する」をモットーに活動。商品に込められた思いや魅力の細部までくみ取って記事を執筆する。お酒にまつわるエッセイ、小説も執筆するほか、Otomoni(オトモニ)のSNS運営も行う。

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