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開幕直前「ツール・ド・フランス」の見どころは…若き王者の猛威にスター軍団が反撃へ!

目次

・中盤に大会屈指の名所、山岳「ラルプ・デュエズ」が復活!魔の石畳ステージも
・若き王者ポガチャルは現在進行形の伝説か、盤石の強さで3連覇へ
・ログリッチの本領発揮に期待!スターぞろいの最強チームで悲願に挑む

 

いよいよ、自転車ロードレースの最高峰「ツール・ド・フランス」が7月1日(金)に開幕。フランス1周を意味するこの大会は3週間かけて行われ、1チーム8人から成る全22チームのライダーたちが、日々のステージ優勝を争いながら計3500km近い道を走破する。サッカーW杯や夏季五輪と並ぶ、世界的ビッグイベントだ。

昨年はタデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)が異次元の強さで連覇を達成。また、この大会で4年勝ち星がなかったベテランスター選手が感動的な復活劇を遂げた一方で、初日に大クラッシュが引き起こされる不運もあり、波瀾(はらん)万丈な大会となった。

果たして、第109回大会はどんなドラマが待っているのか。今年のコースの要所と注目選手を軸に、これだけは押さえておきたいポイントをチェックしていく。

中盤に大会屈指の名所、山岳「ラルプ・デュエズ」が復活!魔の石畳ステージも

自然や街並みが美しく、“流し見”だけでも楽しめる「ツール・ド・フランス」/(C)A.S.O./Charly Lopez

文化的な建造物や雄大なアルプス山脈など、風光明媚(めいび)な地を色鮮やかな集団が流れるように走る「ツール・ド・フランス」。フランスの近隣国がコースに組み込まれることも多く、今年はデンマークの首都コペンハーゲンが開幕地に選ばれた。同国を走るのは大会史上初となる。

最初の3日間、第3ステージまでをデンマークで行った後、一団は北フランスへ移動。第5ステージには早速前半戦の目玉となる、悪路の石畳区間が4年ぶりに登場する。強烈な振動や土ぼこりが襲う凸凹道はプロも嫌がるほど過酷で、パンクや落車は“ざら”。計19.4kmの石畳は、レース展開に何をもたらすのか?

大会第2週にはアルプスへ突入。第12ステージには幾多の名勝負を生んだ山岳「ラルプ・デュエズ」が復活した。21ものヘアピンカーブに歴代のステージ優勝者のパネルが飾られる、大会の聖地だ。

そして第3週の17、18ステージではピレネー山脈での2連戦があり、最終日前日の第20ステージで、初日以来2度目の個人タイムトライアル(以下TT)が実施される。「ツール」には最終日に“総合優勝争いを仕掛けない”という不文律があるため、このTTが事実上の王者決定戦。逆転劇も多い種目であり、今回の40kmという長距離設定にはドラマを期待せずにはいられない。

若き王者ポガチャルは現在進行形の伝説か、盤石の強さで3連覇へ

「ツール・ド・フランス」の最高の栄誉は、全ステージの累積タイムが最も少ない選手に授与される個人総合優勝。その優勝候補の筆頭が、3連覇に挑む23歳のタデイ・ポガチャルだ。昨年の22歳での連覇は史上最年少記録であり、2位に5分20秒もの差をつけた圧勝ぶりは見る者の度肝を抜いた。

無邪気な人柄も人気のタデイ・ポガチャル/(C)A.S.O._Charly_Lopez

連日のコースには、標高2000m超の山もあれば丘陵に平坦もあり、選手によって得意分野が分かれるが、ポガチャルはどれも強い。前述の通り今年は石畳区間があるが、ポガチャルは石畳を有する4月のレースでも優勝争いを繰り広げ、走行技術の高さを改めて証明した。

唯一の弱点といわれていたのは、“ポガチャル一強”などとやゆされた所属先・UAEチームエミレーツのチーム力だったが、UAEは昨年に大補強を決行。山岳に強い「ツール」向きのエース格を3人も集め、3連覇へ向けた地固めを行った。

その若さと強さから、将来的に偉業の“5勝クラブ”入りも手堅そうなポガチャル。“5勝クラブ”とは、「ツール」で5度優勝したレジェンド4人の総称で、1995年のミゲル・インドゥライン(スペイン)以来達成者は現れていない。果たしてポガチャルは、後のレジェンドとなるのか?

ログリッチの本領発揮に期待!スターぞろいの最強チームで悲願に挑む

“タレント軍団”ユンボ・ヴィスマのエース、プリモシュ・ログリッチ/(C)A.S.O._Alex_Broadway

ポガチャルの対抗馬と目されるのが、元スキージャンパーという経歴を持つプリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)。「ジロ・デ・イタリア」「ツール・ド・フランス」と並ぶ世界三大自転車レース「ブエルタ・ア・エスパーニャ」を3連覇中の、こちらも超人だ。

2020年の「ツール」では、最後の最後でポガチャルに大逆転を食らい個人総合2位に。去年はいよいよ頂点かと思われたが、序盤の集団落車に巻き込まれて体を痛め、途中棄権する憂き目に遭った。戦略ミスや落車がなければ優勝を狙える力が十分にあり、今年で3度目の正直となるのか、期待は高まる。

また、ログリッチの所属チーム、ユンボ・ヴィスマは他のメンバーも超一流。山岳、個人TT、スプリントとどんなコースでも勝ってしまう規格外の男、ワウト・ファンアールト(ベルギー)と、昨年の個人総合2位、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)が共に走る。ヴィンゲゴーは一度、山登りでポガチャルを振り切ったほどの登坂能力を備えており、今年もその強さを見せてほしい。最高峰のレースには、スター軍団の活躍が欠かせない。

放送情報

Cycle*2022 ツール・ド・フランス

放送日時:2022年7月1日(金)~24日(日)※休息日あり
※第1ステージのみ無料放送
チャンネル:J SPORTS 4
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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