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涙なくして読めないと反響多数! いつか必ずやってくるワンコやニャンコとの別れ。後悔しないためにも元気なうちに知っておきたいことがわかる本

うちのかわいいワンコやニャンコ。愛すればこそ、ふと思う。「私より先に死んじゃうんだ」「この子が重たい病気になったらどうしよう」……。そんな時に、ぜひ手に取ってほしい本がある。発売後、即重版した『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』(獣医師シワ男/KADOKAWA)だ。

著者は、SNSフォロワー約10万人の人気獣医師シワ男先生。

「人間より動物好き」を公言し、「動物の生涯は短い、だからこそ幸せなものにしたい!!」とワンコやニャンコが幸せになることを第一に考えた発信の数々が、全国の飼い主の心を捉えている。

そんなシワ男先生が力を入れていることが、動物の看取りへの理解だ。

犬猫に死が確実に近づいているとわかったなら、「最期の日が最高の日になるように、眠るように旅立たせたい」。

それがシワ男先生のモットー。ただそれを実行するには、飼主の覚悟が必要だという。

なぜなら、現在の動物の終末期の治療は、死を迎える準備のための治療ではなく、死なないように、少しでも延命するための治療であることがほとんどだから。でも、その無理な治療が、ワンコやニャンコを苦しめていると知った。

しかし飼主は、我が子と少しでも長く一緒にいたい、死んでほしくないと願い、死なないように治療を望みたくなる。

「長生きしてほしい、でも苦しめたくない」。そのジレンマは想像するだけでもつらい……。

そんな飼主に向けたシワ男先生の言葉が心に刺さる。

「終末期に動物を苦しめてまで、死を先送りにすることがホントに動物のためになるだろうか? たとえ命が短くなったとしても、苦しまず、安らかに眠るように旅立つほうが、動物のためにもぼくら飼主のためにもなるとぼくは思う。

過剰な治療をしなければ、動物は夢うつつの状態になって、最期に心臓が停止して、ホントに眠るように、苦しくなく、まさに植物が枯れるように、穏やかに旅立って逝ける」。

そこに広がるのは想像していた以上に自分の心と対峙させられるメッセージ。果たして自分はその選択ができるだろうか。

当事者となった飼主の心の葛藤や不安、恐怖、後悔、心配など、日々の悩みは尽きないだろう。

そんな看取りに不安を抱える飼主に、シワ男先生は、こんなメッセージを送る。

「我が子が弱っていく体をなでながら、声をかけながら、見つめる……。それってつらいよね。悲しくてたまらんよね。

経験したことがない飼主さんにとっては想像を絶すると思う。

それでも我が子の死を受け入れ、体をなでながら、ゆっくりと過ごす時間は、旅立つ動物にとっても、ぼくら飼主にとってもかけがえのない時間になる。そこには愛があるんよ」。

文字を目で追っていると、涙が何度も頬をつたう。

シワ男先生は、こんなふうにも問いかける。

「最期の旅立ちの時、自分が犬猫だったら、どんな言葉をかけてほしい?

大好きな飼主さんに『なんで!』『どうして!』『ごめんなさい!』『私のせいで……』『もっとお金があったら……』。こんなふうに謝罪や後悔の言葉をかけられて嬉しい?

ぼくが犬猫だったら、『ごめんね』という謝罪の言葉より、『ありがとう』という感謝の言葉のほうが嬉しいと思うんよ。

ともに暮らした動物も、謝罪されるよりも、感謝の言葉のほうが嬉しいんじゃないかと思うのさ」。

この言葉に深く頷いた。

泣いているとそばに寄り添ってくれて、怒っていると顔を舐めてなだめてくれて、話せなくても手に取るように意思疎通ができる……。

ワンコやニャンコに、私たち飼主はどれだけ愛され、素晴らしい時間を与えてもらったか。そんな愛おしい我が子の旅立ちには、ありったけの感謝の言葉を伝えても足りないくらいのはず。

愛おしい我が子の旅立ちは、避けて通れない。でも、本書を読んだ後は、いっそう我が子への愛おしさが湧いてきて、「今」という共に過ごす時間をもっと大切に、充実させたいと思えた。

すでに虹の橋のたもとに渡っているワンコやニャンコが与えてくれた無償の愛や、思い出の数々も鮮やかに蘇ってきた。

シワ男先生はこういう。

「どうやらワンコやニャンコは、向こうで飼主の自慢話をしているらしい。だとしたら、いつでも犬猫が胸を張れる立派な飼主でいたいよね。旅立った子も、飼主が覚えている限りずっと一緒に生き続けているのさ」。

あらためて動物たちと生きることの豊かさ、動物の愛の深さを教えてくれる一冊だ。

文責=林美穂 イラスト=坂野りんこ
記事提供=ダ・ヴィンチWeb

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