掃除・収納

プロが教える!ストック収納アイデア――「立てる・重ねる・隙間活用」ですっきり整う

トイレットペーパーや洗剤、ラップ類など、暮らしに欠かせない日用品のストック。まとめ買いをすると便利だけれど、気づけば収納スペースに収まりきらず、生活感が出てしまう……という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、限られたスペースでも取り入れやすい「ストック収納」のアイデアをご紹介。整理収納アドバイザーとして18年以上のキャリアを持つ中山真由美さんに、使いやすく、かつすっきり整う収納の工夫を教えてもらいました。

目次

限られた空間を活かす3つの収納方法

日用品ストックの収納は、「立てる」「重ねる」「隙間活用」の3つを使い分けることで、整理しやすくなります。取り出しやすさを優先するのか、収納量を確保したいのか、あるいは限られた空間を有効活用したいのかによって、適した方法が異なるためです。

「都市部を中心に、住まいはどんどんコンパクトになっていますよね。限られたスペースでも管理しやすく、使いやすい収納を意識することが大切です」(中山さん)

では、それぞれの収納方法にはどのような特徴があるのでしょうか?使い分けのポイントを詳しく見ていきます。

よく使うストックは「立てる収納」で管理しやすく

「立てる収納」は何を収納しているかが一目でわかり、取り出しやすい点が大きなメリットです。重ねた収納のように上の物をどかさずに、必要な物をすぐ取り出せるため、日常的によく出し入れするストックの管理に向いています。また、何がどれだけあるかを把握しやすく、同じ物を買いすぎてしまったり、使い忘れたりするのを防ぎやすい点もポイントです。

一方で、高さや形状がそろっていない物は倒れやすく、スペースも取りやすいため、かえって雑然とした印象になることも。こうしたデメリットを補うには、ストック品を立てたまま整理・管理できる収納ケースを活用するのがおすすめだと、中山さんはいいます。

「私がよく使っているのが、KEYUCAの『Re ハンドル付きストッカー』です。なかでも『深型スリム』はA4サイズで奥行きがあって便利です。ほかにもKEYUCAにはさまざまなサイズのハンディーストッカーがありますし、ニトリの『Nインボックス』や、無印良品の収納ケースのシリーズなどもあるので、ご家庭の収納スペースに合わせて選んでみてください」(中山さん)

立てる収納に向いているのは、掃除用洗剤や食器用洗剤、シャンプー、トリートメントなどの詰め替えパックのほか、ラップ類、スポンジ、ゴム手袋といった小物類です。

「洗剤など高さのある詰め替えパックは、ダブルクリップで上部を折り曲げて高さを抑えてから収納ケースに入れると、棚に引っかからずにうまく収まりますよ」(中山さん) 

収納量を確保しやすい「重ねる収納」

「重ねる収納」は、上方向の“高さ”を活用できるため、比較的多くの物を収納できます。同じ種類のストック品をまとめて管理しやすく、使用頻度の低い物や備蓄品の保管にも向いています。

その反面、下にある物を取り出しにくくなる点はデメリット。上に積んだ物を一度どかす必要があるため、日常的によく使う物の収納には不向きな場合もあります。

また、積み重ね方によっては崩れやすくなったり、下の物に重みがかかって変形したりすることもあります。さらに、奥や下に入れた物を忘れやすいので、使用頻度が高いものほど手前や上に配置するなど、取り出しやすさを意識した工夫が大切です。

「納戸やパントリーは高さがあるので、重ねる収納に向いていますよね。私は棚の中にコの字ラックを入れて上下の空間を分け、さらに前後で置く物を分けています。奥には頻度の低いフィルター類のストック、手前にはよく使う紙類を置いています。わが家では大きめの収納エリアでは、『積む』と『立てる』を組み合わせて収納しています」(中山さん)

収納スペースが大きめなら、カラーボックスなどで空間を仕切り、そこに収納ケースを組み合わせると、すっきり整理しやすくなります。

デッドスペースを活かす「隙間収納」

限られたスペースを有効活用するうえで欠かせないのが「隙間収納」です。家具や棚の間などにできるデッドスペースを活かすことで収納量を増やし、住空間を効率よく使うことができます。

「まずは、家の“隙間“を探してみましょう。10~15cmくらいないと活用できないと思われがちですが、5~6cmほどの狭い隙間でも、意外と収納スペースとして使えるんです」(中山さん)

隙間収納では、空間に合うスリムな収納家具を設置するほか、マグネット収納を活用するのもおすすめ。

「冷蔵庫横や洗濯機横などの金属面に、マグネット式の収納アイテムを取り付けるだけでも収納スペースが生まれます。L字型の長めのマグネットラックなら、ラップ類の収納に向いていますし、マグネットフックは袋類のストック収納に便利です」(中山さん)

隙間収納に向いているのは、袋類などの小物や、長細い形状のストック品。ただし、奥まった場所や幅の狭いスペースを使うため、取り出しにくくならないよう注意が必要です。

「隙間収納はぴったり詰め込みすぎると取り出しづらくなって、しまいっぱなしになりがちです。なので、埋めるというよりも、余白を持たせながら収納するのがポイントです」(中山さん)

日用品ストックをすっきり収納するには?

日用品ストックをうまく収納するには、「立てる」「隙間を使う」「重ねる」を使い分けること以外にも、ちょっとしたコツがあります。

「日用品ストックは、掃除用品、キッチン用品、トイレ用品などカテゴリーごとに分け、それぞれ使う場所の近くに収納しておくと便利です。たとえば、掃除用品は洗面所、キッチン用品はパントリーやシンク下など、定位置を決めておくと必要なときにすぐ取り出せます」(中山さん)

どこに何を収納するか“定位置”を決めたら、ストックの量もそのスペースに収まる分までにしておくことが大切だといいます。

「たとえば詰め替え用の洗剤は、その都度買うのが面倒で、大容量タイプを買っておきたくなりますよね。でも、意外とかさばって収納スペースを圧迫してしまいます。もし収納場所に収まりきらないようであれば、小さい容量のものを選ぶのも一つの方法です」(中山さん)

また、必要以上に買いだめをすると、使い切れず無駄になってしまうことも。

「まとめ買いをしてしまい込んだ結果、ストックしていたこと自体を忘れてしまうケースも少なくありません。実際、これまで多くのご家庭でそうした状態を見てきました。洗剤類は、食品のように消費期限が表示されていないこともありますが、未開封であっても長期間保管すると品質が劣化し、本来の性能を十分に発揮できなくなることがあります」(中山さん)

見た目をすっきり整えるためには、収納する位置やパッケージの見せ方を工夫するのもポイントです。

「特に、隙間収納は外から見えやすいので、ごちゃごちゃ見えないよう、目線より少し下に収納するのがおすすめです。隙間収納以外では基本的にはしまうようにしますが、それでもパッケージが派手だと生活感が気になるんですよね。なので私は、目に優しい、落ち着いた色味のものを選ぶようにしています」(中山さん)

さらに中山さんは、見た目の完璧さにこだわりすぎないことも大切だと話します。

「SNSのようにきれいに収納したいと思う方もいるかもしれません。でもそれ以上に大切なのは、自分や家族にとって使いやすいことだと思います。収納スペースにケースがぴったり収まる“シンデレラフィット”みたいに完璧じゃなくてもいいので、まずは自分たちにとって使いやすい形を意識してみてください。暮らしを丁寧に整えることは、自分自身を大切にすることにもつながるはずです」(中山さん)

取材・文=杉原由花 写真提供=中山真由美

教えてくれたのは

中山真由美

整理収納アドバイザー。整理収納コンサルティングサービス「Ritta Stanza」主宰。2007年~2019年まで人材派遣会社にて整理収納ビジネスに携わり、企業・個人向けに幅広いサポートを行う。2020年に独立し、現在はフリーランスとして活動中。自身もかつては片づけが苦手だった経験を持ち、その体験を生かした、無理のない・続けやすい整理収納の提案に定評がある。著書も多数。

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