掃除・収納

新生活に取り入れたい!“いまどき”収納トレンド

目次

春は、新しい暮らしが始まる季節。引越しや模様替えをきっかけに、毎日の快適さを左右する「収納」を見直してみませんか?

整理収納アドバイザーとして18年以上のキャリアを持つ中山真由美さんに、捨てることだけに偏らない、いまどきの収納トレンドについて伺いました。中山さんが自宅で実践している工夫を交えながら、賃貸住宅でも無理なく取り入れられる収納のヒントをご紹介します。

「捨てる」から「自分らしく飾る」へ――いまどき収納の考え方

収納のトレンドといえば、一時期はモノを捨てる・減らすことが大きなブームとなりすべてを収納の中に隠すことが理想とされてきました。しかしいま、その考え方は少しずつ変化しています。

「最近は“自分らしく飾る”といった要素が強くなり、インテリアに近い感覚で収納を考える人が増えています。無理にすべてをしまい込むのではなく、空間の使い勝手を優先して、あえて一部のモノを出しておく。そのほうが、結果的に暮らしは整いやすくなるんです」(中山さん)

こうした変化の背景にあるのが、住まいのコンパクト化です。限られたスペースのなかでは、すべての物を収納の中に収めることが難しくなりつつあり、そこで注目されているのが、“見せる収納”や“浮かす収納”です。

使う頻度の高いものを上手に表に出し、壁など縦の空間を活かすことで、暮らしやすさと見た目のバランスを両立させる収納スタイルが注目されています。

リビング収納では「よく使うものは出す」

家の中心となるリビングでは、キャスター付きや脚付きなど、床から“浮かせる”収納家具がいま支持されています。床に直接置かないことで掃除がしやすく、必要に応じて動かせる点も大きなメリットです。

「狭い部屋ほど、必要なときに近くへ寄せられる収納が便利なんです。自宅では、園芸用のキャスター付きの台の上に加湿器を乗せ、使う時は手元に、使わないときは部屋の端に移動させるようにしています。キャスター付きの台は100円均一ショップでも手に入りますし、IKEAのキャスター付きのワゴン『RÅSKOG』も人気ですよね」(中山さん)

また、縦の空間を活かす方法として、突っ張り棒を縦に使った“浮かせる収納”も有効です。天井と床に棒を設置し、小さなトレーやフックを取り付ければ、床面積を取ることなく、収納スペースを確保できます。

「DRAW A LINE 」(平安伸銅工業)を活用した収納

何を出して何をしまうべきか迷ったときは、使用頻度を基準に考えるのがシンプルです。よく使うものは出しておき、あまり使わないものや、見た目が気になるものはしまう。これだけでぐっと整理がしやすくなります。

「たとえば、リモコンや爪切り、ハンドクリームなど、ほぼ毎日使うものは引き出しの奥にしまい込むよりも、定位置を決めて出しておいたほうが便利です。私の家では、それらをかごにまとめてソファ横に置いています。かごをちょっとおしゃれなものにすると、見せる収納としても素敵ですよ」(中山さん)

さらに中山さんは、「ソファはなくても暮らせますが、収納が足りないと必ず散らかる」と指摘します。リビングがコンパクトな場合は、散らかりにくさを優先して、ソファの代わりに収納力のある家具を選ぶのも一つの選択肢。低めのチェストやサイドボードなら、圧迫感を抑えながら、しっかりと収納量を確保できます。

キッチン収納も「見せる前提」で整える

「最近は、キッチンの収納が非常に小さい住宅が増えています」と中山さん。コンパクト化が進むなか、キッチンでもすべてをしまうのではなく、一部を出しておくことが基本になっています。

「調理家電は見せるものとして考えましょう。電子レンジやトースターは、いまやインテリアの一部。色やデザインをそろえるだけで、驚くほどすっきり見えるようになりますよ」(中山さん)

一方で、キッチンアイテムのなかでも優先して収納したいのが、使用頻度の低い食器や大きな調理器具、調味料類です。特に調味料は出しっぱなしにすると劣化しやすいため、冷蔵庫や収納の中にしまっておくほうが安心です。

毎日使うマグカップやフライ返し、おたまなどのツール類は、出しておくと便利。定位置を決めておけば動線がスムーズになり、家事のストレスも軽減されます。

「キッチンでもやはり縦のスペースを上手に使うことが欠かせません。冷蔵庫ラックやマグネット収納を取り入れることで、作業台の上や床に物を増やさずに、必要な収納量を確保できます。例えば、ニトリの『マグネットがくっつくシート』なども便利ですね」(中山さん)

最近では、『マグネットがくっつくシート』のように、壁や家具など本来は磁石が付かない場所を、磁石が使える面に変えられるシート状のアイテムも登場しています。こうしたアイテムを活用すれば、賃貸住宅でも壁を傷つけることなく、収納の幅を広げることができます。

小さな場所ほど「浮かせる」

玄関や洗面所、ランドリーまわりでは、“浮かす収納”がすっかり定番に。なかでも洗濯機まわりや浴室の壁は、収納スペースとして見落とされがちですが、工夫次第で使いやすさが大きく変わります。マグネット収納や、貼って剥がせるフック、突っ張り棒などを活用すれば、簡単に収納を増やすことができます。

「洗濯機は表面積が大きいので、マグネットつけ放題ですよね。自宅では、洗濯ハンガーを掛けて収納できる、山崎実業の『マグネット洗濯ハンガー収納ラック タワー』を使っています。浴室でも、あらゆるものを浮かせています」(中山さん)

「マグネット洗濯ハンガー収納ラック タワー」(山崎実業)を活用した収納

浴室の浮かせる収納アイテムは、マグネット式や吸盤が主流です。いずれも設置の仕方がポイントになります。

「先ほどご紹介した『マグネットがくっつくシート』を使ってマグネット式の収納アイテムを使う方法や、吸盤タイプのアイテムを使う方法があります。どちらにしても、設置前に壁の水滴や汚れをしっかり拭き取ることが大切です。そして、付けたあと丸一日そのままにしてなじませると、しっかり固定されますよ」(中山さん)

トレンド収納により近づく「1軍・2軍・3軍」の考え方

収納を見直すうえでは、便利な収納アイテムを取り入れることも有効ですが、それと同じくらい、持ち物を整理することが欠かせません。

中山さんがすすめるのが、モノを「1軍=よく使うもの」「2軍=たまに使うもの」「3軍=ほとんど使わないもの」に分け、使う頻度に応じて収納場所を見直す方法です。

「1軍は、手を伸ばせばすぐに取れる場所へ。2軍は、手元からは離れているけれど取り出しやすい届く場所に。3軍は収納の奥のほうにしまってもかまいませんが、しまい込んだ物にはラベルをつけておくと、使うときに迷いません」(中山さん)

もう一つ教えてくれたのが、合わない家具は手放すという鉄則。引越した際に、部屋のサイズや間取りに合わない家具や収納をそのまま使い続けてしまうと、それが動線を妨げ、散らかる原因になりがちだといいます。

「いつか使うかもしれないと残しておきたくなりますが、実はそれが、散らかりやすさを生む最大の要因になっていることも多いんです。新しい住まいに合わないと感じたら、早めに手放す決断も大切ですね」

こうした考え方を取り入れることで、空間は自然と自分たちの暮らしに合った形へと整っていきます。収納とは、毎日を心地よくするために、使うものを取り出しやすく収めること。この春、新生活とともに、収納の考え方もアップデートしてみませんか。

取材・文=杉原由花 写真提供=中山真由美

教えてくれたのは

中山真由美

整理収納アドバイザー。整理収納コンサルティングサービス「Ritta Stanza」主宰。2007年~2019年まで人材派遣会社にて整理収納ビジネスに携わり、企業・個人向けに幅広いサポートを行う。2020年に独立し、現在はフリーランスとして活動中。自身もかつては片づけが苦手だった経験を持ち、その体験を生かした、無理のない・続けやすい整理収納の提案に定評がある。著書も多数。

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