エンタメ

映画『月の満ち欠け』で菊池日菜子が、前世の記憶を持つ難役に挑戦!「シーンごとの感情がブレないように演じました」

第157回直木賞を受賞した佐藤正午のベストセラー小説を映画化した『月の満ち欠け』が、2022年12月2日(金)より全国公開中だ。今作は“もう一度逢いたい”と願う純粋な想いが奇跡を起こす物語で、数奇な運命に巻き込まれる小山内堅を大泉洋、その妻の梢を柴咲コウ。そして、小山内の娘と同じ名前の女性・正木瑠璃を有村架純、かつて正木瑠璃と恋に落ちた三角哲彦を目黒蓮(Snow Man)が演じている。温かな愛情で包まれた夫婦と許されざる恋をしたカップル。この2組が不思議な縁で関わっていく。「役をつかむまでにとても時間がかかった」という、小山内瑠璃役の菊池日菜子に本作の見どころや撮影裏話を語ってもらった。

©2022「月の満ち欠け」製作委員会

――演じられた小山内瑠璃は誰にも言えない秘密を抱えていますが、どんな女の子ですか?

「いろんなことを抱えながら人生を歩んでいる女の子ですが、家族が大好きでお父さんとお母さんの娘でいられて、とにかく幸せだと感じている子です」

――物語は時空や関係性が何重にも重なっていて少し複雑ですが、すぐに理解することはできましたか?

「最初に台本を読んだ時にすんなり理解できたかというとそうでもなく、マネジャーさんにここってこういう意味ですかね?と確認したりしました。原作小説を読んだら説明書きが多かったので内容をよりつかむことができましたが、映画と小説は違うところもあったので、また台本を読んで理解を深めていきました」

――瑠璃は前世の記憶を覚えているという難しい役どころですが、不安もあったのでは?

「ありました。瑠璃は小さい頃からあることを抱えて生きているので、ひとつのセリフでも、いろいろな意味合いが含まれているのだろうなと思いながら台本を読みました。そのため、他の作品よりも脚本を読むのに時間や労力がかかりました。でも、“その時、その時に感じていることは事実で、全部本当のこと”なので、シーンごとの感情はブレないようにしようと心がけて撮影に挑み、徐々に役の感覚をつかんでいった感じでした」

――特に撮影が難しかったシーンは?

「美術室で親友のゆい(伊藤沙莉)に突然あることを話し始めるシーンです。どういう雰囲気で話を切り出したらいいのか悩んでいたんですが、廣木(隆一)監督が『ゆいとはずっと友達でいたいから、テレ隠しでちょっと笑う感じで言ってみて』とアドバイスをくださったことで、スッと役に入って演じきることができました。他には、田中圭さん演じる正木竜之介と初めて対峙するシーンが難しかったです。とてもシリアスな空気の中で撮影したので、私自身の心拍数もかなり高い状態で気持ち的にも大変でした」

――作中で歌っているシーンも印象的でしたが、いかがでしたか?

「家で1人で歌って練習しました(笑)。かなりキーが高いところもあったので、大丈夫かなと不安でした。歌うシーンは外だったので後日アフレコをしたのですが、最初は緊張して声が震えてしまって。廣木監督が一息つく時間をくださったので何とか歌うことができました。カラオケなどで歌うことは好きですが、自分の歌声が映画で流れると思うと緊張しました(笑)」

――お父さん役の大泉洋さん、お母さん役の柴咲コウさんとのエピソードを教えてください。

「大泉さんとは撮影が始まる前に一度お食事に行かせていただきました。ちょうど私が瑠璃の人物像に迷っていた時期だったのですが、一緒に考えてくださって。その時に、瑠璃は家族が大好きな女の子であることを教えてくださったので、撮影前に瑠璃の核を一つ作って撮影に臨むことができました。柴咲さんとは、梢さんが新生児の瑠璃を抱っこするシーンの撮影を見学させていただいた際に初めてお会いしたのですが、そのシーン特有のとても柔らかい雰囲気をつくり出されていてすごいなと思いました」

――菊池さんのお気に入りのシーンは?

「瑠璃の誕生日パーティーをしているシーンです。休憩中もゆい役の伊藤沙莉さんを含めて、4人でたわいのない話をしていました。あの時間があったからこそ温かい家族団らんのシーンができたのではないかと思います。大泉さんがご自身の娘さんのお話をされて、それを柴咲さんがにこやかに聞いて、伊藤さんがツッコまれていて。作中のシーンそのままで撮影の合間も本当に楽しかったです」

――作品をご覧になる皆さまに、メッセージをお願いします。

「幸せなシーンばかりではなく、目を背けたくなるような場面もあると思いますが、見終わった後にとても希望を感じました。生まれ変わりというものを今の自分自身の状況に落とし込んで想像してみても楽しいと思いますし、生まれ変わりというものが存在するかもしれないと思うだけで救われることもあると思うので、この作品を見て少しでも希望を感じていただけたらうれしいです」

――最後にお部屋のこだわりを教えていただけますか?

「インテリアのこだわりは特にないのですが、帰った時に絶望したくないので(笑)、一定のきれいさを保つように心がけています。例えば、洗濯物を畳んだらすぐにしまったり、床にはあまり物を置かないよう意識しています。見えるところをきれいにすることはできる方だと思っていますが、ホコリのお掃除などは…(笑)。休日などに水回りを中心にお掃除するようにしています」

取材・文=及川静 撮影=瀬戸口善十郎 ヘアメイク=猪股真衣子(TRON) スタイリスト=松川総

インフォメーション

映画『月の満ち欠け』

2022年12月2日(金)より全国公開中
仕事も家庭も順風満帆だった小山内堅の日常は、愛する妻と娘の2人を不慮の事故で同時に失ったことで一変。深い悲しみに沈む小山内の元にある日、三角哲彦と名乗る男が訪ねてくる。事故当日、娘の瑠璃が面識のないはずの三角に会いに来ようとしていたこと、そして彼女は自分がかつて愛した‟瑠璃”という女性の生まれ変わりだったのではないかと告げる。【愛し合っていた一組の夫婦】と、【許されざる恋に落ちた恋人たち】。全く関係がないように思われたふたつの物語が、数十年の時を経てつながっていく。それは「生まれ変わっても、あなたに逢いたい」という強い想いが起こした、あまりにも切なすぎる愛の奇跡だった——。

菊池日菜子

きくちひなこ●’02年2月3日生まれ、福岡県出身。’19年に西日本鉄道グループのCMでCMデビュー。’21年には舞台『醉いどれ天使』に出演、映画『私はいったい、何と闘っているのか』では長編映画初出演も果たす。さらに同年12月には全日本高等学校女子サッカー選手権大会の初代応援マネジャーに就任。特技は書道とハンマー投げ。

菊池日菜子さん直筆サイン入りチェキを
2名様にプレゼント!

<応募締め切り>

2023年1月5日(木)9時59分

<注意事項>

※応募者の中から厳正な抽選の上、賞品の発送をもって、発表に代えさせていただきます。
※賞品の発送は、応募締め切り日から1か月以降となります。


共有

最新記事

人気の記事

カテゴリ

TOP