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スマホでできる!紅葉写真を鮮やかに撮るテクニック

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今や誰もが携帯しているスマートフォン。内蔵カメラ機能を活用して、旅先で出会った素敵な風景や料理などを思い出として残すだけでなく、昨今はSNSなどで世界中の人と共有する機会もどんどん増えている。なかでも晩秋から初冬にかけて全国で観ることができる紅葉は、「この素晴らしさをしっかり残したい!」「多くの人に観てもらいたい!」と思う人も少なくないはず。四季の移ろいを堪能できる日本だからこそ残せる、スマホカメラでの紅葉写真撮影のためのコツを、日本各地の風景をカメラで捉えてきた写真家・福田健太郎さんに教えてもらった。

濃い青空の広がる紅葉風景にレンズを向ける

気に入った風景を撮影することに意識が集中すると、ついつい忘れてしまいがちになるのが太陽の方向。鮮やかな紅葉をしっかり映るならば、太陽を背にした「順光」や、左右どちらから光が差し込む「サイド光」と呼ばれる角度からの撮影がおすすめ。

「紅葉に限らず、写真撮影では“光”がとても重要です。自然の風景の場合も、まずは『太陽を背にして撮影する』ということを意識してみてください。そうすると、彩り鮮やかな紅葉を忠実に残すことができます。また、赤やオレンジ、黄色といった暖色系の紅葉風景の中に、マツやヒノキなどの針葉樹の緑や青空も取り入れると、よりメリハリのある素敵な写真に仕上がりますよ」(福田さん)。

紅葉風景の中に緑の木々や青空を入れるとメリハリが付く!

HDR機能を利用

スマホカメラには「HDR」という素晴らしい機能が備わっている。これは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略で、明るさがバラバラな場所でもキレイな写真を撮影することが可能だ。

「たとえば、日の光が差し込む森ならば木陰の部分だけを明るくしてくれる機能です。写真から黒っぽい部分を取り除いてくれるので、紅葉の鮮やかさが強調されます。良く晴れた日は特に効果大なので、ぜひカメラの設定で『HDR』をオンにしてみてください」(福田さん)。

写真(左)設定なしで撮影した場合、写真(右)HDR機能を利用した場合

紅葉の林内では透過光を活かす

繊細な葉脈もアクセントとなって一段と輝きを増すのが、太陽の光に透かされた紅葉。「ちょっと芸術的な紅葉を撮ってみたい!」という方は、林の中でいい枝ぶりのカエデの木を探してみよう。

「逆光を味方につけた撮影テクニックのひとつです。枝や幹などの暗い部分をアクセントとした、大胆な絵づくりにチャレンジしてみてください。葉っぱに近寄り、ググッと大きく写しても面白いですね。その際に、スマホカメラで『F値』の数字を小さくして撮影すると、背景がキレイにボケたドラマチックな写真が撮れますよ」(福田さん)。

幹や枝などの暗い部分が良いアクセントになる

 

葉っぱに近寄って撮影しても面白い

曇り日の紅葉風景では空を大胆にカットしてみる

どこか湿度を感じさせる、しっとりと落ち着いた雰囲気の紅葉風景を楽しめるのが、晩秋から初冬の曇り空。秋晴れの紅葉写真にはない「わびさび」をより魅力的に表現するには、ちょっとしたコツがあるという。

「画面に深みを出すため、明るく目立つ白っぽい空は、思い切ってカットしてしまいましょう。ちょっと暗めの仕上がりにするため、画面全体の濃度を調整することも大切です。スマホの写真編集機能で、『露出』や『シャドウ』をマイナス値にしてみたりなど、いろいろ加工して好みの写真に仕上げてみてください」(福田さん)。

曇天の紅葉は晴れた日とはまた違った魅力が味わえる

温かみのある色調に調整するのもテクニック

全体の色味をコントロールして、紅葉の鮮やかさを引き立たせてみることも大切。そこで使うのが「WB(ホワイトバランス)」。ホワイトバランスとは、撮影環境での光の色の影響を補正し、写真の“白さ”を調整するための機能だ。

「曇りの日の太陽光は、写真全体を青っぽくしてしまうので、撮影時には『オート』や『曇天』といった撮影環境に合わせたメニューを選びましょう。また、写真編集機能で『暖かみ』の数値を上げたり、『カラー』で画面全体の黄色を強くすると、より秋らしい写真に仕上がりますよ」(福田さん)。

写真(左)太陽光だと全体的に青みがかった印象、写真(右)色味調整で秋らしい写真に仕上がる

紅葉など、自然を愛でる楽しみを味わおう

そして、最後に日本全国の美しい自然をカメラのファインダー越しに見つめてきた福田さんから、こんなアドバイスをもらった。

「テクニックを覚えるのはもちろん大切ですし、うまく撮ろうとする意識も大事です。だけれども、深まる秋を想う気持ちや、季節のうつろいを自分の心で感じることが何よりも素敵なことです。日々の忙しさを少し忘れて、写真を撮影しながら四季折々の自然に触れていただきたいです」。

プロならではのテクニック、そして何よりも素直な気持ちで自然と向き合う心を教えてくれた福田さん。今度の休日は、ぜひ晩秋から初冬ならではの美しい風景をスマホに収めてみては。

文=中村実香

写真家・福田健太郎

四季折々の風景写真が楽しめる写真家・福田健太郎さんの【Instagramはこちら

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