エンタメ

2022.07.12

女子ゴルフ後半戦がスタート！各世代のクイーンが集う夏の北海道決戦を制するのは？

2022年も残り半年、国内女子ゴルフツアーも今季38試合のうちちょうど半分が終了し、後半戦の幕開けを告げる「大東建託・いい部屋ネットレディス」が7月21日（木）から行われる。

戦いの舞台は昨年と同じ、北海道・札幌にある滝のカントリークラブ。賞金総額1億2,000万円（優勝賞金2,160万円）を懸けて、計120人の選手が競う4日間大会だ。真夏のビッグトーナメントを制するのは誰なのか、観戦に向けて見どころを押さえていこう。（出場選手は状況によって変更になる場合があります）

小祝さくら、稲見萌寧ら注目選手を紹介！渡邉彩香のコメントも

台頭著しい若手に実績十分の中堅・ベテラン勢と、百花繚乱（りょうらん）の様相を見せている女子ゴルフ界。その中心はやはり1998年度生まれの“黄金世代”だ。中でも5月に世代最速で生涯獲得賞金4億円を突破した小祝さくらと、4月に待望の初優勝を遂げた高橋彩華に注目したい。小祝にとっては実家がすぐ隣の市という地元開催、高橋にとっては大会最終日が誕生日とあり、主役になるための舞台は整っている。

また、今季序盤の不調を乗り越えた、東京五輪銀メダリストで昨季賞金女王の稲見萌寧も強力。腰痛に悩まされるも本来のスイングを取り戻し、再び上位争いの一員となっている。さらに、昨年優勝の申ジエ（韓国）もやはり脅威の存在。春に両肘の手術を受け、復帰後すぐにトップ10入りするなど好調の元世界1位が、連覇を狙う。

そして、今大会にひときわ強い思いを抱くのが、主催・大東建託の契約選手である渡邉彩香だ。渡邉は昨年、初日「64」の好スコアで首位に立つも、最後は惜しくも2位タイに。プロ11年目の今季は開幕から好調で、5月の「ほけんの窓口レディース」では自身5勝目を挙げた。ツアー屈指の飛距離を誇る渡邉が、攻めのゴルフで悲願の大会初制覇を目指す。

北海道特有の洋芝が展開を左右？今年も出るか350ヤード超え

昨年から北の大地に舞台を移した本大会。会場の滝のカントリークラブ（6560ヤード／パー72）は、要所に池やバンカーが配置された、水と森林の美しい丘陵コースとなっている。中でもティーショットで樹齢300年の大樹をまたぐ、600ヤードオーバーのロングホールが名物だ。

選手たちを悩ませるのは、北海道特有の、海外のコースを思わせる洋芝。葉が柔らかくボールが沈むため、本州の一般的な和芝と違って飛びにくいという難しさがある。また、昨年はグリーンの傾斜に手こずったとの声も多く挙がった。丘陵故のアップダウンも多く、ショットの精度と胆力が試されることになる。

昨年、４番ホールで行われた最長距離を競う「ベストドライビング賞」では、ペ ヒギョン（韓国）がなんと男子プロも驚く369ヤードを記録。渡邉や穴井詩、原英莉花らツアー屈指の飛ばし屋たちも350ヤード超えを連発した。今年は、２番ホールで行われるが爽快なビッグドライブ合戦は見どころの一つとなる。

今年も名勝負の予感、復活Vや同期対決など過去大会を彩った優勝者たち

2015年に新設され、今年で7回目を数える同大会（2020年はコロナ禍で中止）。2019年までは山梨・鳴沢ゴルフ倶楽部で行われ、いずれの大会もドラマチックな展開を生んでいる。

初代女王の座には原江里菜が就いた。原江里菜がまだ大学生でもあった2008年のツアー初優勝以来、実に約7年ぶりとなる2勝目だった。プロゴルフ界では「1勝目より2勝目が難しい」といわれ、その苦しみから解放され涙する原江里菜を、優勝争いをしていたイ・ボミ（韓国）らがハグで祝福した。また、第4回の2018年大会では、黄アルム（韓国）が原江里菜を上回る9年ぶりの2勝目を達成。黄は同年、この後の大会でも勝って計3勝を挙げるなど、飛躍を遂げている。

第2回の2016年大会は、今年3月に婚約を発表したささきしょうこがツアー初優勝。最終日は共に当時20歳だった岡山絵里との同期対決となり、ささきが初勝利をつかみ取った。第3回の2017年大会と第5回の2019年大会は、生涯獲得賞金5億円超えの成田美寿々が制覇。17年は通算21アンダーで完勝し、19年は“逆転の成田美寿々”の代名詞通り、最終日に首位スタートした有村智恵との2打差をひっくり返した。

そして昨年第6回の2021年大会は、世界通算60勝超えの申が2位に5打差をつけて快勝。2位タイには渡邉のほか、臼井麗香、濱田茉優、全美貞（韓国）が並んだ。果たして今年、北の地でトロフィーを掲げるのは誰か。熱い4日間が幕を開ける。

文＝井上潤哉