掃除・収納

ごちゃついて見える「乾物・レトルト食品」もスッキリ収納できる簡単テクニック

目次

お掃除・収納アドバイザーとして活躍する大津たまみさんに、すぐに実践したくなる掃除テクニックなど生活に役立つアイデアを教えてもらう「お掃除連載」。

キッチンの中で意外とスペースをとるのが乾物やレトルト、缶詰、瓶詰などのストック食品。封を開けたまま忘れ去られて賞味期限切れになってしまった乾物や、コロナ禍の自粛期間に買いだめして行き場をなくしてしまったレトルト食品、ストックボックスに乱雑に入れて必要な時に出てこない缶詰や瓶詰など、いつの間にか量が増えて、ごちゃついて見えてしまいます。

「ストック食品の収納に大事なことは、在庫数を把握することと、賞味期限を分かりやすくすること。ここではその具体的な方法をお教えします」と大津さん。

使う頻度や量を把握して、在庫数を決める

ストック食品をスッキリと収納するために一番最初にすべきことは何でしょうか。

「まずは、それぞれの食品の使用頻度を把握すること。また、その人、その家族の好みに合ったもを厳選することです。全体の必要な量を把握して、使うものを使う分だけ買うようにしましょう」と大津さん。

消費量に合わない大袋を「安いから」という理由だけで買ったり、“何かあった時のため”と食べる頻度の少ない保存食を買いそろえて置いたままにしてしまうと、ストック食品はむやみに増えてしまいます。

そうならないために、そのストック食品は、自分、またはわが家に必要な分量かどうか?を擦り合わせをすること。それぞれの食品の使用頻度によって、在庫数をあらかじめ決めておくことが大切です。在庫数の決め方は、「自分ルール」にするのが無駄を作らないひけつです。

「例えば、カレーが好きな人なら常にレトルトのカレーを2食分はストックして、1個使ったら1個補充。ツナが好きなら、ツナ缶が残り2缶になったら買い足す…など、あらかじめキッチンに置いておく在庫数を決めておくんです。そうすれば計画的に収納ができるのでキッチンがスッキリ。かつ賞味期限切れも防げます」(大津さん)

消費期限は見えやすいように、手前から並べる

「ストック食品をしまう時は、消費期限が印字されている面を上にして、よく見えるように収納しましょう。分かりにくい場所にあるものだったらマスキングテープに日付を書いて貼っておくとひと目で分かります。並べる順番も大事です。取り出しやすい手前から順に、賞味期限切れが近いものを置くようにしてください。手前から使えば古いものから順番に減っていくので、補充時に後ろに足していけばOK。在庫管理がグッと簡単になります」(大津さん)

大津さんはさらに“ギリギリゾーン”を作ることで、消費期限切れを防いでいるそう。 「食品の種類は問わず、使いかけのものだけを集めておくスペースを作って、それを私は“ギリギリゾーン”と呼んでいます。例えば、乾麺が余った時などは密閉袋に入れてギリギリゾーンへ。そこにあるものから使えば、『いつの間にか消費期限が切れちゃった!』ということがなくなります」(大津さん)

災害時の備蓄食料も“ローリングストック”でまとめてストック

災害など緊急時のための防災用のストック食品は、日常のストック食品とは別途で備蓄している人も多いはず。

「防災用ストック食品を備蓄する場合、最低3日分、できれば一週間分の食事を賄える量を用意することが望ましいといわれていますよね。けれど、この量を一カ所に置くと結構なスペースを取ってしまいます」(大津さん)

スペースが限られた部屋の場合、防災用ストック食品も日常のストック食品と同じ管理下で備蓄しておくことがおすすめです。

「方法は、日常でよく食べるレトルトや缶詰、レンジ食品などを防災用の分だけ少し多めに備蓄するだけです。これを消費期限の切れそうなものから順に食べて、なくなったら補充していきます。このやり方は“ローリングストック”といいます。災害時のための飲用水なども同じ場所に備蓄しておけば、災害時に一度に持ち出しやすい上、他の食品の在庫と同時に管理ができるので消費期限切れも予防できます」(大津さん)

ストック収納に役立つ便利グッズは?

ストック食品を収納するのに便利なおすすめのグッズを教えてもらいました。

「まずは、メッシュのかご。レトルトカレーやインスタントラーメン、ホットケーキミックス、缶詰、瓶詰など種類ごとに整理して入れましょう。レトルトカレーなどの箱入りの食品やインスタントラーメンなどは、上から取り出しやすいよう縦に並べて入れるのがコツです」(大津さん)

ほかにもブックスタンドやプラスチックケースも大活躍します。

「乾燥わかめや昆布、かつお節パックなど、袋入りの乾物を縦に入れて保存する際、ブックスタンドを使うと縦に入れられるので取り出しやすくなります。

ふた付きのプラスチックケースは、のりや昆布など湿気に弱いものを保管するのに便利。マスキングテープに保存する食品名を記して貼っておけば、分かりやすく収納できますよ!」(大津さん)

お気に入りボックスなど「自分ルール」で楽しく収納!

「例えば、カレーが好きなら専用の“カレーボックス”を作ってみて! 色んな種類のレトルトカレーを食べる順に並べるだけで、とってもワクワクしませんか? ちなみに、この時にご飯も同じ量だけ、そのボックスに備蓄しておけば防災用のストック食品にもなりますよ。

他にも、例えば“おつまみ”の缶詰だけで収納ボックスを作れば、晩酌の時にそこから取り出して、次の缶詰を選んで補充することも楽しみになります」(大津さん)

まずは、どんな食品をどれだけストックしておくか、自分や家族の適量を定めて、“自分ルール”、“わが家ルール”を設定しましょう。お気に入りの調味料をそろえたり、好きなものゾーンを作ったりしてキッチン収納を楽しみましょう。

取材・文=本嶋るりこ イラスト=ヨシカワミノリ

大津たまみ

1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアをもつ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する

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