掃除・収納

湿気の多い季節こそ要注意!寝具やソファなどの“布製品”からダニ被害を防ぐお手入れ術

目次

おそうじ・収納アドバイザーとして活躍する大津たまみさんによる「お掃除連載」。今回は、6~7月に繁殖しやすい、ダニの対策についてお話を伺いました。

「1年中、繁殖しているといわれているダニですが、湿気の多いこの時期は特に気を付けたいですね。ダニといえば刺されることに恐怖を覚える人が多いと思いますが、実はその被害の多くは鼻炎や皮膚炎などのアレルギーの原因になることなんです」と話すのは、ダニ対策のノウハウを熟知する、お掃除のプロ・大津さん。

「ダニにもたくさんの種類があって、人の住居で繁殖するダニのうちの8割をも占めるのがチリダニ。このダニの死骸やフンがアレルギーの原因となるのです。ちなみに人を刺すダニはツメダニといい、小麦粉などの粉製品に紛れ込むコマダニというダニもいます」(大津さん)

ここでは、部屋の中で最も多いチリダニ対策を大津さんが伝授!すみかになりやすい寝具やソファ、洋服などの布製品のお手入れ方法を種類別に教えてもらいました。

寝汗で湿気がこもりがちな布団やマットレスなどの寝具は、ダニが繁殖する格好の場所に。じゅうたんや布製のソファなどにもたくさんのダニとその死骸が潜んでいます。また、ダニは洋服にも付くので、衣替えの機会にしっかり対策しておくのを。梅雨のうちにしっかり布製品のお手入れをして、ダニに悩まされない夏を迎えましょう!

寝室のダニ対策は、“湿気を逃がす”ことがポイント

寝ている間に汗が蒸発するので、朝の寝室の空気はモワッと湿気を含んでいることが多いものです。

「湿気はダニの大好物。ダニ対策の作業の前に、まずは30分〜1時間程度、窓を開けて風通しをよくしましょう。ダニを繁殖させづらい乾燥した環境をつくるのが大事です」(大津さん)

ダニ対策の作業前はもちろん、毎朝、起きた時に寝室の窓を開けて空気を入れ替えることを習慣づけるようにしましょう。

寝具のダニは、“掃除機で吸う”ことを忘れずに

ダニが死滅する温度は、50〜60℃といわれています。布団の場合は、布団乾燥機のダニ対策機能を使えば、高温でダニを死滅させてくれます。ただし、一人暮らし世帯だと布団乾燥機を持っている人は少ないかもしれません。

「その場合は、晴れた日に天日干しをするだけで大丈夫。干した布団の上から黒い布をかけると、ダニが死滅する50〜60℃まで表面温度を上げることができるので、より効果的ですよ」(大津さん)

布団を干したら、布団たたきでバンバン叩きたくなってしまう、という人も多いかもしれませんが、それは間違いのようです。

「たたくことで布団の奥に潜んでいたダニの死骸を表面に出してしまい、アレルギーの原因になってしまうからです。布団をたたくのは厳禁です!布団乾燥機をかけ終わった後、または天日干しが終わった後は、必ず布団に掃除機をかけてダニの死骸を吸い取ってください。掃除機をかける際、布団専用のノズルを使うと布を吸い込まずにダニを吸い取れるので便利です。専用ノズルがない場合は、ストッキング(またはストッキング状のごみ袋)をノズルにかぶせて掃除機をかけましょう。布を吸い込まず抜群に作業がやりやすくなりますよ。布団に掃除機をかけるのに抵抗がある人は、クリーナーが各種そろう『レイコップ』の布団クリーナーも人気が高いアイテムです」(大津さん)

マットレスは天日干しの前にも掃除機を念入りに

「マットレスのダニ対策にも掃除機は大活躍です。シーツやベッドパッド、敷きパッドなど寝具類を全て外したら、まずは全体に掃除機をかけましょう。特に、溝がある角や縁はダニの死骸がホコリになってたまっているので、念入りに吸い取りましょう」(大津さん)

掃除機が終わったら、こちらも天日干しでダニ退治。布団と同様、黒い布をかけて表面温度を上げましょう。マットレスを出せるベランダがない場合は、日当たりのいい部屋の大きな窓にマットレスを立てかけておくだけでも同様の効果がありますよ。

2、3時間したら裏返しにして両面しっかり熱を加えたら、こちらも掃除機で死骸を吸い取ってフィニッシュ!

ソファなどの布製家具にはアイロンが効果的

布製のソファもダニの巣窟になりやすい場所。けれど、さすがにソファは丸洗いできないし、天日干しをするにも一苦労しそう。ソファなど、ダニが潜みやすい布製の大きな家具は、アイロンがけをして熱を加えてダニを死滅させましょう。座って体が付くところには特にしっかりと熱を加えてダニを死滅させましょう。その後に掃除機で死骸を吸い取れば対策はばっちり。

(※耐熱温度、色落ちしないかなど素材についているラベルで確認してください)

さらにダニ予防の専用スプレーをかけたらフィニッシュ。…ですが、専用スプレーをわざわざ購入するまでは…とちゅうちょする人には、お掃除の万能グッズ、重曹を使うやり方もおすすめです。

夜、寝る前にソファにまんべんなく重曹をふりかけて一晩放置。重曹は、100均やドラッグストアなどで買える工業用(掃除用)のものをお使いください。翌日、それを掃除機で吸い取れば、重曹が湿気を吸い取るのでダニ予防になる上、重曹の成分でシミ汚れも落ち一石二鳥です。

洗えるものは“洗濯”+“熱”でダニ退治!

シーツや布団カバー、ベッドパッドや敷きパッド、そして洋服やカーテンなど、洗える布製品のダニ対策は? 「うちはこまめに洗濯しているのでダニは発生していないはず!」と思っている人も多いかもしれません。

「実は、冷水と洗剤で洗うだけでは効果がないといわれています。ダニを死滅させるには、やはり熱を加えることが大事。繊維の奥にいるダニを死滅させるためには、60℃以上のお湯で20〜30分、漬け置き洗いをしましょう」と、大津さん。

時間がたつとお湯が冷めるので熱いお湯を使うことが大事。でも、モノによっては色落ちや生地が傷んでしまう可能性も。また、賃貸物件だと洗濯用水に熱湯を使えないケースも多そうです。そういった場合は、洗濯後、乾いた生地にしっかりとアイロンをかけてダニ退治をしましょう。高温のガス乾燥機が使えるなら、それも便利です。

ダニ対策には専用スプレーなどの便利グッズもお役立ち!

殺虫剤はもちろん、ダニ避けスプレー、ダニを固めるスプレーなど、スプレーだけでも多種多様。また、ダニシートのようにおびき寄せて閉じ込めるタイプのグッズも人気です。

「たくさんグッズがあるということは、それだけダニに悩まされている人が多いということ。上に挙げたダニ対策をすると同時に、用途に応じてグッズも併用すればより万全なダニ対策ができますよ。ぬいぐるみなどの布製の小物は、天日干し+掃除機の後透明なビニール袋に重曹と共に入れてシャカシャカと振ってまぶしてください。それを一晩放置してから、掃除機で吸い取ればダニ予防に!」(大津さん)

アレルギーなどの原因にもなるというダニ。湿気が多く繁殖しやすいこの季節、寝具やソファ、洋服などすみかになりやすい布製品をしっかりキレイに掃除して、ダニから身を守りましょう!

取材・文=本嶋るりこ イラスト=ヨシカワミノリ

大津たまみ

1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアをもつ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する

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