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冷凍焼肉をもっとおいしく!上手な解凍&調理法、さらにはアレンジ無限大の万能たれを徹底解説

暑い夏こそ、がっつり肉メニューでスタミナをつけたい! そんなときに便利なのが、使いやすい冷凍肉。最近では急速冷凍技術の進化により、チルド肉にも負けないおいしさの冷凍肉が続々登場。お手軽な薄切り肉からブランド肉までさまざまなタイプがあり、ネットショッピングやふるさと納税でも常に上位にランクインしています。

そんな冷凍肉のおいしさを大きく左右するのが、解凍の仕方。今回は料理家の上田友子さんに、冷凍肉の上手な解凍法と、夏ならではのアレンジレシピを教えていただきました。

目次

いますぐ食べたいときに!「冷凍肉」の上手な解凍法

冷凍肉の天敵が、解凍の際に出る液体“ドリップ”。肉の筋肉繊維に含まれる水分や、たんぱく質などのうまみ成分が流れでたものです。冷凍肉では、このドリップの流出をいかに防ぐかが重要です。

「肉がドリップに浸かってしまうと、独特の臭みの原因となります。ドリップの流出を最小限に抑えるには、食べる前日に解凍肉を冷凍庫から冷蔵庫に移し、一日かけてゆっくりと解凍するのがベスト。とはいえ、夕飯の準備などで、すぐに食べたい!という方がほとんどだと多いと思います。もっとも避けたいのは、常温での解凍。そこで今回は、時間を短縮しつつも、なるべくドリップを出さない解凍法をご紹介します」(上田さん)。

おすすめ!氷水を使った解凍法

冷凍肉は、新鮮さをキープするために真空パック包装のものがほとんど。ボウルにたっぷりと氷を入れ、冷凍肉のパックがつかるほどの水を入れます。このとき、水が多すぎると氷がすぐに解けてしまうので注意! ここにパック包装のままの冷凍肉を入れて、解凍していきましょう。

500gの冷凍のハラミ肉では、氷水で30~40分ほどが目安。解凍後、タレなどに漬けこむ時間も考慮し、少し芯が残るくらいで氷水からあげるとちょうどいい。常温解凍や、流水解凍と比べてドリップの量が圧倒的に少ないのがわかるはず! 肉表面の水分をキッチンペーパーなどでおさえてから調理に使いましょう

肉のうま味を逃がさない焼き方とは?

上手に解凍したあとは、焼くときの火加減にも注意を。

「焼肉用の肉も、ステーキ肉も、おいしい焼き目がつくように最初は強火で焼くのがコツ。余分な水分を飛ばし、うま味をギュッととじこめてくれます。ステーキ肉のように厚みがある場合はその後弱火にし、中までほど良く火が入るようにしましょう」(上田さん)

最初から弱火で焼いてしまうと、うま味とともに肉汁が流れ出し、パサパサとした食感になってしまうそう。何度も裏返すのも厳禁!

冷凍肉をもっとおいしく! 絶品「万能たれ」レシピ

市販の「焼肉のたれ」は、簡単だけどマンネリになりがち…! 今回は、いつもの焼肉がぐんとおいしくなる基本の「漬け込みだれ」と、3種の「つけだれ」をご紹介。おもてなしにもおすすめです。

・漬け込みだれ

塩麹に含まれる酵素が肉のたんぱく質を分解するため、ぐんとやわらかに! コクもアップします。

材料/つくりやすい分量

牛肉(焼き肉用)…300g
塩麹…大さじ2
ごま油…大さじ1
おろしにんにく…小さじ1/2
おろし生姜…小さじ1/2
黒こしょう…少々

作り方

1. 全ての材料をボウルへ入れてもみ込むようにして混ぜ合わせる。

2. 30分ほど漬け込む(薄切り肉なら10~15分程度漬ければOK。肉の厚みによって加減しましょう)

粒状の塩麹だと、焼くときに焦げやすくなる可能性も。ペースト状のものがおすすめです。

「牛肉はもちろん、鶏肉、豚肉、魚とも相性バツグン。ぜひ試してみてくださいね」(上田さん)

・和・洋・イタリアンの、3種のつけだれ 

カラフルなつけだれが食欲をそそる! サンチュなどの葉物野菜に肉とたれをのせ、巻いていただくのがおすすめ。たれは多めに作っておけば、いろんな料理でアレンジを楽しめます。

【洋風】混ぜるだけの簡単「マヨタードソース」

材料/作りやすい分量

マヨネーズ…適量
マスタード…適量

作り方

1. マヨネーズとマスタードを1:1 の分量で混ぜ合わせて完成!

「マヨタードソースは、バラ肉、ベーコンなど脂身の多い肉と相性ぴったり。ゆで卵などにもおすすめです」(上田さん)。

【和風】香味野菜がさっぱりとしてクセになる「大葉のネギ塩麹だれ」

材料/作りやすい量

大葉…10枚
青ねぎ…2~3本
塩麹…小さじ1
ごま油…大さじ1
おろしにんにく…少々
おろししょうが…少々
レモン汁…大さじ1

作り方

1. 大葉と青ねぎを極みじん切りにし、さらに包丁の腹などで全体がペースト状になるようすり潰す。

2. ボウルに1と残りの全材料を入れて混ぜ合わせる。

「ごま油やレモンを各自お好みで追加していただくと、さらにおいしさアップ。冷奴の薬味にしても。冷蔵庫で2~3日保存できます」(上田さん)。

【イタリアン風】酸味が肉の旨みを引き立てる「トマトビネガーだれ」

材料/作りやすい分量

ミディトマト…3個
ワインビネガー…大さじ1
オリーブオイル…小さじ1
玉ねぎ(みじん切り)…大さじ1
塩…少々
こしょう…少々

作り方

1. ミディトマトは粗みじん切りにする。

2. ボウルに1と残りの全材料を入れてよく混ぜ合わせる。

「冷製パスタのソースとしても。その際はオリーブオイルやすり下ろしにんにくを加えて、さらに塩で味を調えてください。ハンバーグにもよく合いますよ」(上田さん)。

ストックしておけばなにかと重宝する冷凍肉。上手な解凍法を覚えておけば、いざというときにもすぐに使えて便利です。バーベキューやパーティーでも喜ばれる「万能たれ」も、ぜひ活用してくださいね。

取材・文=植木淳子

教えてくれたのは

上田友子

料理家/フードスタイリスト。食のプロフェッショナルとして、幅広いメディアでレシピ考案、調理、テーブルコーディネートなどを数多く手がけるほか、企業や地方行政へのアドバイス、講演も行っている。

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